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text:chomonju:s_chomonju176

古今著聞集 和歌第六

176 江挙周和泉の任去りて後病重かりけり・・・

校訂本文

江挙周1)、和泉の任去りて後、病重かりけり。住吉2)の御祟りのよしを聞きて、母赤染衛門(大隅守赤染時用の女。或いは順3)女と云々)4)

  代はらむと祈る命は惜しからでさても別れんことぞ悲しき

と詠みて、幣(みてぐら)に書きて、かの社5)に奉りたりければ、その夜、夢に白髪の老翁ありて、この幣を取ると見て、病癒えぬ。

翻刻

江挙周和泉の任さりてのち病をもかりけり住よしの
御たたりのよしをききて母赤染衛門(大隅守赤染時用女/或順女云々)
 かはらむといのる命はおしからてさてもわかれんことそかなしき
とよみてみてくらにかきて彼社にたてまつりたりけれは
その夜夢に白髪の老翁ありてこの幣をとるとみて病いへ
ぬ鳥羽法皇の女房に小大進といふ哥よみありけるか待賢/s129l

http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/129

1)
大江挙周
2)
住吉明神
3)
源順
4)
「大隅守赤染時用」以下、底本割注。
5)
住吉大社
text/chomonju/s_chomonju176.txt · 最終更新: 2020/03/04 02:51 by Satoshi Nakagawa