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text:chomonju:s_chomonju184

古今著聞集 和歌第六

184 匡房卿若かりける時蔵人にて内裏によろぼひ歩きけるを・・・

校訂本文

匡房卿1)若かりける時、蔵人にて内裏によろぼひ歩(あり)きけるを、さる博士なれば、女房たちあなづりて、御簾のきはに呼びて、「これ弾き給へ」とて、和琴を具し出だしたりければ、匡房詠みける、

  逢坂の関のあなたもまた見ねばあづまのことは知られざりけり

女房達、返しえせでやみにけり。

翻刻

匡房卿わかかりける時蔵人にて内裏によろほひありき
けるをさる博士なれは女房たちあなつりて御簾のきはによひ
てこれひき給へとて和琴をくしいたしたりけれは匡房よみける
 会坂の関のあなたもまたみねはあつまのことはしられさりけり
女房達返しえせてやみにけり/s136l

http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/136

1)
大江匡房。ただし、『古本説話集』4『今昔物語集』24-52・『後拾遺和歌集』は大江匡衡とする。『十訓抄』3-2は『古今著聞集』と同じく匡房。
text/chomonju/s_chomonju184.txt · 最終更新: 2020/03/06 13:30 by Satoshi Nakagawa